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  1. 大成建設 山内隆司の 世界の風に吹かれて

大成建設 山内隆司の 世界の風に吹かれて(2)
ホテル建設という仕事

週刊ホテルレストラン 2011年3月25日号掲載

前回はスーパーゼネコンという仕事を語ってもらった。世界各国で約2000カ所の工事を常時抱え、しかも世界が注目する難工事なども数多く抱えており、そのスケールの大きさと技術力の高さに改めて感じ入った。今回は若き山内隆司氏が初めてホテルの工事現場を担当した当時のことを振り返ってもらった。

 大成建設に入社したのはもう40年以上も昔になります。明治・大正期の実業界の雄である大倉喜八郎が創業した会社で鹿鳴館を手掛けた会社として知っていました。フランク・ロイド・ライト設計の帝国ホテルもわが社が建設したとあって、大きな夢と誇りを持って入社したのです。

 そういう関係もあってか当社はホテル建設をずいぶん手掛けています。私が初めてホテルに携わったのは新宿のヒルトン東京です。

 開業したのは1984年。その3年前にプロジェクトを立ち上げましたからちょうど30年前になります。組織上は上司もおりましたが、私がホテル客室階の実質的な責任者としてプロジェクトを任されました。

 私にとっては初のホテル工事の現場に加えて外資系のホテルです。徹底してホテルを研究しようと心に誓いました。

 それまでは、ホテルのホの字も知りません。それで「ホテルとはなんぞや」ということから始めました。ホテル巡りもし、泊まりにも行きました。ほかの工事現場に足も運ぶなど貪欲に吸収しようと24時間フルに動き回りました。

 具体的にプロジェクトが立ち上がり、幸運にも発注者と世界のヒルトンを見て回る機会を得ました。その当時はピンときませんでしたが、今から考えると、この経験が私の現在を作り上げる核となったように思います。

 そのときが初めての海外渡航でした。ヨーロッパ、アメリカに行く機会がありましたが、やはり驚きましたね。すべてが日本と違っていました。街を歩く姿はまるで「おのぼりさん」。

 石の文化というのでしょうか。日本にはない都市景観がどこにでも広がっています。シャンゼリゼなどは素晴らしい都市開発ですね。今でも目に焼き付いています。

 その後の海外旅行では、可能な限り最高級のホテルを泊まり歩きました。その中で最も印象に残ったのは「オテル・ド・クリヨン」です。映画の中に入っているような感じで、まるで自分が主人公になっているかのような錯覚さえ覚えました。

 こうした経験が後の会社人生にどれほど生きたことか。思い起こせば身に余る経験をさせていただいたという思いです。ヒルトンのリチャード・ハンデル氏と知り合ったのもそのころで、なんという幸運だったのかと思い出します。

山内隆司(やまうち・たかし)氏プロフィール
1946年6月12日、岡山県・邑久町(現瀬戸内市)に生まれる。府立天王寺高、東京大学工学部建築学科を経て、69年6月大成建設(株)入社。建築畑を歩き、ヒルトン東京ホテル、そごう川口店、センシティタワーなどを手掛ける。99年6月執行役員関東支店長、2002年4月常務役員建築本部長、05年6月取締役専務役員建築本部長、06年4月取締役専務役員社長室長などを経て、07年4月代表取締役社長、現在に至る。

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