週刊ホテルレストラン HOTERES WEB

  • TOP
  • ホテル&レストラン
  • 業界コラム
  • ホテルビジネスなんでも相談
  • バイヤーズガイド
  • HITS
  • ホテレス電子版
  1. 大成建設 山内隆司の 世界の風に吹かれて

大成建設 山内隆司の 世界の風に吹かれて(3)
ホテルに学べた幸福

週刊ホテルレストラン 2011年4月8日号掲載

初めてのヨーロッパ。世界はとてつもなく広く魅力的だった。街づくりの素晴らしさに感嘆し、自分の身の小ささを知ることになった。ヨーロッパの一流ホテルは華麗で、まるで映画かドラマ。ヒルトンの仕事は山内社長を一回りも二回りも大きくしたのである。

 ホテル業界のスーパースターと聞いているヒルトンのリチャード・ハンデル氏に出会えたことは私にとってはうれしいことでした。ホテルマンのスケールの大きさも知りました。ヒルトンでは総支配人がホテルを住まいにしなければならない決まりとなっていることにも驚きました。

 とにかくホテルには衣食住がすべてあり、より広範囲にすべてに通じていなければホテルマンは務まらないということを感じたのです。

 もちろん私たちにはレストランの動線など細かいところまではわかりませんが、ホテルの役割とか、心配りなどは知っておく必要があります。単にハードを完成させればいいというものではないことも知りました。そうしなければ建物に魂が入っていきません。

 完成させて引き渡しをし、ご利用されるお客さまが実際利用することになって私たちの仕事は報われるのです。最終的にお客さまの笑顔が“仕事のやりがい”に通じているような気がします。

 さて、話をもう少しヒルトンに戻したいと思います。私は現場の責任者として見積りから関わり1984年の竣工まで4年間過ごしました。ヒルトンはやはり“世界のヒルトン”と言われているように、仕事を進めれば進めるほどその感を深くしました。

 建築様式が同じヒルトンでも全部違うのです。ヨーロッパだけでなくシドニーにも行きましたがヒルトンスペックは地元に合わせてそろえるようになっています。そのスペックたるや大変多いのです。アデレードヒルトンなどは現地の材料などを使っており、常識がいかに邪魔になるかも知りました。

 そうしたこだわりの環境が優秀な人材を輩出する下地になっているのでしょう。「ヒルトン学校」とも呼ばれ、多くのホテルで“ヒルトンマン”が働いているのです。聞くところによりますと、日本のホテルでも総支配人をはじめとして重要ポストに元ヒルトンマンが大勢いらっしゃるようですね。

 ヒルトン東京は高層ホテルでしたから、しっかり勉強しました。いくつかの現場も見させてもらいましたが、やはり名前の通った方がかかわっている現場はきれいでした。工事現場でこれほどまでにきれいにしておけるのはやはりすごい。私も見習うようにして仕事に励みました。なんと言ってもヒルトン東京は私の仕事の原点の一つです。

山内隆司(やまうち・たかし)氏プロフィール
1946年6月12日、岡山県・邑久町(現瀬戸内市)に生まれる。府立天王寺高、東京大学工学部建築学科を経て、69年6月大成建設(株)入社。建築畑を歩き、ヒルトン東京ホテル、そごう川口店、センシティタワーなどを手掛ける。99年6月執行役員関東支店長、2002年4月常務役員建築本部長、05年6月取締役専務役員建築本部長、06年4月取締役専務役員社長室長などを経て、07年4月代表取締役社長、現在に至る。

ついに公開!ホテレス電子版 年間8,000円で!過去1年分の記事が読める!キーワードの検索もできる!トライアル版は無料!

大成建設 山内隆司の
世界の風に吹かれて 連載一覧

  • 山内隆司(やまうち・たかし)氏
  • 山内隆司