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  1. 大成建設 山内隆司の 世界の風に吹かれて

大成建設 山内隆司の 世界の風に吹かれて(8)
ヴィラ・デステ

週刊ホテルレストラン 2011年6月24日号掲載

ミラノ北部、スイスとの国境近くに位置し、古くからヨーロッパ貴族の避暑地として発展してきたコモ湖畔。今号の舞台は、湖畔沿いに数多く建ち並ぶ高級リゾートホテルの中でも際立って美しい「ヴィラ・デステ」ホテルだ。

 古代ローマ時代から王侯貴族など上流階級の避暑地として愛されてきたコモ湖畔。北イタリア湖水地方を代表するこの緑豊かな湖畔には、現在もヨーロッパ各国王室や財界人のぜいをつくした別荘が建ち並んでいます。その中でも際立って美しい建物がホテル「ヴィラ・デ ステ」です。1568年に貴族の別荘として建てられましたが、その300年後、ホテルとして生まれ変わりました。広大な庭園には、趣向を凝らした彫刻が点在しています。

 伝統ある避暑地にたたずむ貴族の別荘「ヴィラ・デステ」。あこがれにも似た気持ちを持ちながら以前から一度は泊まってみたいと思っていました。そして、3年前の夏、念願かなって連泊することができました。

 木々に囲まれた気品ある豪奢な建物は、まさしく貴族の別荘という風格があり、高台に立地しているためスイスアルプスを望むこともできました。着いて早々、建物内を探索しました。最初からホテルとして設計されたものではありませんから、客室のレイアウトも全部違う仕様になっています。それだけにそれぞれの部屋は趣があり、個性的で「来たかいがあった!」と感激しました。

 それにしても、日本の江戸時代よりも前から存続しているのには驚きです。さすがヨーロッパ、石の文化がしっかり根付いているのだなあ、と感心しました。

 宿泊者は常連の客が多く、世界の富豪たちが集まっているという感じがしました。日本人も比較的多く、日本の豊かさがこうしたところにも表れていると感じた次第です。

 また、観光名所にもなっているこのホテルのイタリア式の広大な庭園は、見事に整備されており、年輩の私たちにもちょうどよい散歩コースが用意されていました。散歩中、コモ湖畔から眺めた「ヴィラ・デステ」は、湖面に映え、その風景は、まるで一編の詩と出会ったような感動を覚えました。

 昼間は、湖に面したオープンテラスに食事に出かけました。穏やかな心地よい風に身をゆだね遠くアルプスを一望しながらのひと時は特別な思い出になりました。

 長い歴史の中で、「ヴィラ・デステ」にまつわるエピソードは星の数ほどあるのでしょうが 、古くより避暑地として愛され続けてきたコモ湖にもそれに負けないくらいのエピソードがあります。ホテルのプールから眺めるコモ湖畔は小高い丘に囲まれており、その緑の中には山吹色の別荘が点在しています。それはまるで一幅の絵のようです。「ヴィラ・デステ」とコモ湖畔の景色は今でも脳裏に焼き付いています。

山内隆司(やまうち・たかし)氏プロフィール 1946年6月12日、岡山県・邑久町(現瀬戸内市)に生まれる。府立天王寺高、東京大学工学部建築学科を経て、69年6月大成建設(株)入社。建築畑を歩き、ヒルトン東京ホテル、そごう川口店、センシティタワーなどを手掛ける。99年6月執行役員関東支店長、2002年4月常務役員建築本部長、05年6月取締役専務役員建築本部長、06年4月取締役専務役員社長室長などを経て、07年4月代表取締役社長、現在に至る。

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