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  1. 大成建設 山内隆司の 世界の風に吹かれて

大成建設 山内隆司の 世界の風に吹かれて(23)
ザ・ペニンシュラ東京とセントレジスホテル大阪

週刊ホテルレストラン 2012年2月10日号掲載

最上級グレードを誇る外資系ホテルの日本上陸第一号となった、ザ・ペニンシュラ東京とセントレジスホテル大阪。この二つのホテル建設プロジェクトにかかわったのが大成建設だ。オンリーワンを目指して挑んだプロジェクトに秘められたストーリーとは。

 この連載のはじめのころ、私が1984年にオープンしたヒルトン東京の建設プロジェクトに従事していたときの話を紹介させていただきました。当時は外国の方と仕事をする機会は限られていましたが、近年は、海外でのプロジェクトが増え、国内でも外資系ホテルや海外ブランドの店舗など、外国人のお客さまと直接、お話をしながら仕事を進める機会も珍しくありません。

 2007年にオープンしたザ・ペニンシュラ東京は、アジアと米国を中心に事業展開を進める名門ペニンシュラの8番目となるホテル。丸の内再構築計画の目玉として三菱地所さんが誘致したプロジェクトです。設計を三菱地所設計さんなどが行ない、当社が工事を請け負いました。ホテル建設にその国の文化を採り入れるペニンシュライズムを反映し、建物外観は日本の灯籠(とうろう)をモチーフにしたデザイン。内装にも版築や漆など、日本の伝統技術が随所に採り入れられています。また、ペニンシュラ独自の“7ツ星”基準とそれを実現するための“ペニンシュラスタンダード”に従い、詳細なスペックを元に工事が進められました。例えば、空調は客室ごとに加湿調整ができること。蛇口をひねったら5秒以内にお湯がでること―。ペニンシュラを運営する香港&上海ホテルズから役員クラスのゼネラルマネージャーが何人も常駐し、綿密な打ち合わせを繰り返しながら工事が進められました。当社の担当者は、発注者の方々とともに困難を乗り越え、オープニングセレモニーでは、共に抱き合って喜びを分かち合うことができたといいます。

 2010年にオープンしたセントレジスホテル大阪は、スターウッド・ホテル&リゾートの最高級ブランド、セントレジスの日本初進出となるホテル。御堂筋と本町通りの交差点という大阪で最も注目されるエリアに完成した本町ガーデンシティの11階~27階に開業しました。本町ガーデンシティは、積水ハウスさんが事業主体となって進められた再開発プロジェクトです。設計を日建設計さんと当社が担い、施工を当社が請け負いました。御堂筋沿いには高さ規制があり、背の高いビルは建てられませんでしたが、プロジェクトが大阪市の都市再生特別地区の認定を受けて容積率が緩和され、130mを超える高層ビルとなりました。ただし、ホテルが入居する高層階をセットバックさせて、周囲の建物との景観に配慮しています。

実は、今回のプロジェクト、通常とは手順が異なり、建物の用途が確定する前に外観のデザインが先に決まったのです。ホテルの設計も外観の特徴を生かして進められ、最高級グレードにふさわしい静粛性や遮音性を実現するために、天井裏や壁の中など見えない所にも最先端のノウハウを結集しています。同時に、セントレジスの100年以上にも及ぶブランドを重視して、お客さまから直接の声をいただきながら、誇りと情熱を傾けてクオリティを高める努力を続けていきました。

 グレードの高い空間とサービス。しかし、ホテルがお客さまからの高い評価を得るためには、安全性への信頼の高さも大切な要素です。そこで次回は、建物の耐震技術と災害時の安全対策についてご紹介したいと思います。

山内隆司(やまうち・たかし)氏プロフィール
1946年6月12日、岡山県・邑久町(現瀬戸内市)に生まれる。府立天王寺高、東京大学工学部建築学科を経て、69年6月大成建設(株)入社。建築畑を歩き、ヒルトン東京ホテル、そごう川口店、センシティタワーなどを手掛ける。99年6月執行役員関東支店長、2002年4月常務役員建築本部長、05年6月取締役専務役員建築本部長、06年4月取締役専務役員社長室長などを経て、07年4月代表取締役社長、現在に至る。

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