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  1. 大成建設 山内隆司の 世界の風に吹かれて

大成建設 山内隆司の 世界の風に吹かれて(20)
カナダの思い出

週刊ホテルレストラン 2011年12月23日号掲載

イギリス植民地時代の息吹が残るヴィクトリアの街に威風堂々とたたずむ、フェアモント・エンプレス・ホテル。そして、「カナディアンロッキーの宝石」と称えられる湖のほとりに立つ、フェアモント・シャトー・レイク・ルイーズ。カナダの上品なシャトーホテルで、山内社長が過ごしたぜいたくで優雅な時間とは?

 皆さんは、カナダがオーストラリアやニュージーランドと同じように、英王国連邦の一員であることをご存じですか。カナダは立憲君主国で、カナダ国王はイギリス国王が兼務しています。つまり、現在もカナダの国家元首はエリザベス女王なのです。実は、私も家内と二人で行ったカナダ旅行で、ガイドの方から教えられて初めて知ったのですが、カナダを訪れてみると、イギリス植民地時代の名残がそこかしこに感じられます。太平洋側に位置するヴィクトリアも、19世紀のイギリスのヴィクトリア女王にちなんで名付けられた街。ブリティッシュ・コロンビア州の州都ですが、とても小さくて、イギリスを感じさせるのどかな街並みが広がっています。

私たちが泊まったフェアモント・エンプレス・ホテルは、内湾に面して立つイギリスの王宮を思わせる威風堂々とした建物。まさしくヴィクトリアの顔とも言うべき存在です。室内の調度も英国調のしつらえになっていて、浴室などの設備は最新ではありませんが、とても優雅でゆったりとした時間を過ごすことができました。メインダイニングもシャンデリアが映えるクラシックな空間。実はエリザベス女王が即位前に訪れ晩餐会を開いたという由緒ある場所だそうです。ホテルに刻まれた歴史を感じながら、私たちも素晴らしいディナーを楽しむことができました。ちなみに、ここヴィクトリアは、バンクーバーからフェリーで1時間半と近く、日帰りで訪れてエンプレス・ホテルで楽しむアフタヌーンティーを旅の思い出にする人も多いと聞きました。

 そして、カナダ旅行でぜひ泊まってみたかったホテルが、フェアモント・シャトー・レイク・ルイーズです。「カナディアンロッキーの宝石」と称えられるレイク・ルイーズのほとりに立ち、シャトースタイルの近代的な建物の室内は大英帝国の栄華を感じさせる装飾が施され、落ち着いて上品な雰囲気。部屋から眺めるカナディアンロッキーと氷河が織りなす勇壮なパノラマも圧巻です。レイク・ルイーズはヴィクトリア氷河がせき止められてできた湖で、湖面は氷河から流れ出た水によって美しいエメラルド色。太陽の光や風、雲によって刻々と表情を変えていくのはとても神秘的です。レイク・ルイーズ観光はホテルが起点となっていて、私たちは氷河まで足を伸ばしました。私の背丈よりも高い大きなタイヤを何本も履いた特大の雪上車に乗って氷河に向かうのですが、降り立った足下の氷の厚さが数百mもあり、それがゆっくりと流れていると聞くと、とても不思議な気分です。

 ちなみに、レイク・ルイーズは、ヴィクトリア女王の四女で、カナダ総督に嫁いだルイーズ・キャロライン・アルバータに由来しています。そして、レイク・ルイーズに水を供給しているのがヴィクトリア山にあるヴィクトリア氷河。カナダでは、重要な場所や施設の多くに英国王室ゆかりの名前がつけられているのです。とりわけヴィクトリア女王の統治時代は、イギリスが世界中で植民地開拓を進めた絶頂期。イギリス本国はもちろん、カナダばかりでなく、オーストラリアや香港、遠くアフリカにまで、ヴィクトリア女王の名前を冠した場所がたくさんあるそうです。

 さて、次回は、カナダ大陸横断鉄道の旅についてお話しさせていただこうと思います。

山内隆司(やまうち・たかし)氏プロフィール
1946年6月12日、岡山県・邑久町(現瀬戸内市)に生まれる。府立天王寺高、東京大学工学部建築学科を経て、69年6月大成建設(株)入社。建築畑を歩き、ヒルトン東京ホテル、そごう川口店、センシティタワーなどを手掛ける。99年6月執行役員関東支店長、2002年4月常務役員建築本部長、05年6月取締役専務役員建築本部長、06年4月取締役専務役員社長室長などを経て、07年4月代表取締役社長、現在に至る。

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