週刊ホテルレストラン HOTERES WEB

  • TOP
  • ホテル&レストラン
  • 業界コラム
  • ホテルビジネスなんでも相談
  • バイヤーズガイド
  • HITS
  • ホテレス電子版
  1. 世界のリーディングホテル

世界のリーディングホテルVOL79
フォーシーズンズ ホテルプラハ Four Seasons Hotel Prague

週刊ホテルレストラン 2014年9月12日号掲載

世界にはまだまだ日本人が訪れていないホテルがある。このコーナーではホテリエが知っておくべき「世界のリーディングホテル」を紹介する。これまで多くのホテル紹介本が出版されてきたが、そのほとんどが現地のホテルと事前に取材の連絡を取り合い、プロのカメラマンや通訳、そのほか大勢を連れ立っての大名取材であり、宿泊は省略といったことも多々であった。本連載では、著者自身が長年にわたる個人旅行中に自分の目で感じ取り、コメントを書き込み、自分のカメラで思いのままを撮ってきた写真を掲載する。

 プラハの中心部を滔々(とうとう)と流れるモルダウ川に架かるカレル橋。プラハ城に向かうプラハ最大の観光名所だが、橋のたもとに四つの異なる建築様式を持つクラシカルな建物に目が注がれる。それが、「Four Seasons HotelPraque」の瀟洒(しょうしゃ)な建物である(以下、FS/P)。16 世紀に建てられ、プレジデンシャルスイートが入るバロック様式、19 世紀に建てられたネオ・クラシック様式とネオ・ルネッサンス様式の建物、そしてメインエントランスを配置したコンテンポラリー・デザインのメイン棟から成るユニークな構造をしている。その建築スタイルは歴史的建造物を損なうことなく統合し、見事なハーモニーを醸し出している。

 プラハ(Prague)はチェコの首都であり、百塔の街と謳われるほど、数多くの教会の尖塔があり中世建築の宝庫でもある。プラハの歴史地区はプラハ城や有名な旧市庁舎の天文時計がある旧市街などが含まれ、ユネスコの世界遺産の指定を1992 年に受けている。プラハは大都市であるにもかかわらず、まさに街そのものが世界遺産という希有な観光都市だ。東西冷戦時には社会主義圏で国が閉ざされていたが、近年では世界各国から観光客が集まっており、いたるところで観光客の多さに驚くことであろう。

 FS/P は20 室のスイートを含め、全161 室のゲストルームを擁して2001年に開業した。ドアマンが常駐するメインエントランス右脇にベンチがあり、可愛い少年少女が座ったブロンズのオブジェにゲストは癒やされる。プラハで最初の本格的デラックスホテルであり、館内に一歩足を踏み入れると、フォーシーズンズ流のエレガントなフラワーアレンジメントがゲストを迎え入れてくれる。左手に進むと重厚な雰囲気のレセプションホールがある。筆者にアサインされた部屋はメイン棟にある「Deluxe Room」で、約40m²の広さがある優雅な客室である。レストランではモダン・イタリアン料理の「Restaurant CottoCrudo」があり、晴れた日にはモルダウ川とプラハ城が望めるテラス席が人気だ。また付随してメインバー「CottoCrudo Bar & Lounge」がある。スパは地階に「Four Seasons Spa」が24 時間対応のヘルスクラブと共に用意されている。

 FS/P は前述したようにカレル橋に隣接した最高の立地にあるが、メインストリートから一歩奥まった場所に正面玄関を置いているため、無用な観光客のホテル見学はなく静かな環境を保っている。また、ホテルの周囲は大学やカレッジが集まり、アカデミックな雰囲気とモルダウ川畔の観光客の喧騒との対比も興味深い場所柄と言える。

筆者 小原康裕
ホテルジャーナリスト。慶応義塾大学法学部法律学科卒。74年Munich Re入社。85年築地原健(株)代表取締役。2001年投資顧問会社原健設立、代表取締役CEO。JHRCA、日本ホテルレストランコンサルタント協会理事。

※現在、著者のホームページで「世界のリーディングホテル」を連載中。多くの美しい写真と興味深いコメントで、世界中のホテルとそれら関連都市を紹介。ホテルだけにとどまらず、オリエントエクスプレスなど鉄道関係の掲載、季節刊行で世界遺産の案内などさまざまな情報が得られる。www.jhrca.com/worldhotel

詳細をご覧になりたい方はPDFファイルをダウンロードしてください。

ついに公開!ホテレス電子版 年間8,000円で!過去1年分の記事が読める!キーワードの検索もできる!トライアル版は無料!

世界のリーディングホテル連載一覧

  • 小原康裕