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  1. 世界のリーディングホテル

世界のリーディングホテルVOL89 ロイヤル ハワイアンラグジュアリー コレクション リゾートThe Royal Hawaiian,A Luxury Collection Resort

週刊ホテルレストラン 2015年2月13日号掲載

世界にはまだまだ日本人が訪れていないホテルがある。このコーナーではホテリエが知っておくべき「世界のリーディングホテル」を紹介する。連載では、著者自身が長年にわたる個人旅行中に自分の目で感じ取り、コメントを書き込み、自分のカメラで思いのままを撮ってきた写真を掲載する。

 “太平洋のピンク・パレス”と呼ばれ、数あるハワイのホテルの中でも独特な存在感を放つホテルが「The Royal Hawaiian」である。その優雅でエレガントな佇まいはハワイ随一と言って過言ではないであろう。ロイヤル ハワイアンはハワイ王朝の所有地であったワイキキの「ヘルモア」の土地に、マトソン商船会社の創立者ウィリアム・マトソンによって建てられ、同社所有の新豪華客船「マロロ号」の旅客宿泊施設としてスタートした。当時はカリフォルニアから5 日間の航海を終え、海を見飽きたゲストのためにハワイの風土やガーデンを楽しんでもらう配慮で、ホテルの半分以上の客室から緑の庭園の景色が楽しめるように設計された。

 ロイヤル ハワイアンは1927年の創業以来、その印象的なピンク色の外観を誇りとして維持されている。その由来は、マトソンの親友夫妻がポルトガルへ旅行した際、リスボンの街にあるピンクの家を見て気に入り、自分たちの別荘をピンクに塗り替えた。それを見たマトソンの娘夫婦がその別荘の色に感激し、ホテルをピンク色に仕上げたという逸話が残っている。2009 年に全館のリノベーションが完了し、スターウッド・グループ傘下の「Luxury Collection」ブランドの一員として再出発を果たした。

 ロイヤル ハワイアンは本館「Historic Building」とタワー棟「Royal Beach Tower」を合わせ、スイートを含め全529の客室を擁す大型ホテルだ。やはり趣のある本館はお勧めで、館内は戦前の良き時代にタイムスリップした雰囲気が漂う。筆者にアサインされた部屋は、約50㎡の面積を持つ「Historic Ocean Jr. Suite」で、段差で区分けされたシッティングエリアの付いたオーシャンフロントのJr. スイートだ。メインダイニング「Azure Restaurant」はハワイの伝統的調理法で供されるシーフード料理が自慢である。バー「Mai Tai Bar」はその名の通り、オリジナルのカクテル「MaiTai」にちなんで名付けられた。また、ガーデンコートにある「Abhasa Spa」は庭園内に点在する専用カバナでの施術が特徴で、オアフでは唯一のスパと言われる。

 ロイヤル ハワイアンの客室天井はほかのホテルに比べるとだいぶ高くなっている。これは、狭い船のキャビンで数日間も過ごしたゲストに少しでも開放感を味わってもらうための配慮と言われる。ホテル建物はワイキキにあるホテル群の中でもひときわ目立つムーア様式の宮殿を彷彿させるファサードを持つ。館内のインテリアは異国情緒にあふれ、ハワイでも特異な存在の名門ホテルと言えよう。

筆者 小原康裕
ホテルジャーナリスト。慶応義塾大学法学部法律学科卒。74年Munich Re入社。85年築地原健(株)代表取締役。2001年投資顧問会社原健設立、代表取締役CEO。JHRCA、日本ホテルレストランコンサルタント協会理事。

※現在、著者のホームページで「世界のリーディングホテル」を連載中。多くの美しい写真と興味深いコメントで、世界中のホテルとそれら関連都市を紹介。ホテルだけにとどまらず、オリエントエクスプレスなど鉄道関係の掲載、季節刊行で世界遺産の案内などさまざまな情報が得られる。www.jhrca.com/worldhotel

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