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  1. 世界のリーディングホテル

VOL98 ホテル シュヴァイツァーホフ ベルン Hotel Schweizerhof Bern

週刊ホテルレストラン 2015年6月26日号掲載

世界にはまだまだ日本人が訪れていないホテルがある。このコーナーではホテリエが知っておくべき「世界のリーディングホテル」を紹介する。連載では、著者自身が長年にわたる個人旅行中に自分の目で感じ取り、コメントを書き込み、自分のカメラで思いのままを撮ってきた写真を掲載する。

 スイス連邦の首都ベルン、そのベルン駅前に圧倒的存在感で建つホテルがある。その名は「Hotel Schweizerhof」。スイス国内に数あるホテルの中で屈指の歴史を誇る名門ホテルである。すでに18 世紀から「Hotel Fetzer」または、ベルンを治めた“Zahringer 家” の名を冠して「Zahringerhof」として欧州中に知られた老舗ホテルは、1859 年にその名を“ホテル シュヴァイツァーホフ”「Hotel SchweizerhofBern」に変更する。1913 年にホテルは建て替えられたが、150 年以上にわたって多くの歴史的なストーリーと共に時を刻み、スイスを代表する老舗名門ホテルとしての地位を確立した。ホテルは新しい時代の要請を受け、2009 年に大改修を断行し、11年4月に待望の再オープンを果たした。

 ベルンはスイス連邦の首都でありながら、その規模はスイス4 番目の小さな街だ。大きく湾曲するアーレ川に囲まれた土地を生かしてツェーリンガー公ベルトルト5 世により町造りが始まった。13 世紀から自由都市となり発展して来た麗しき旧市街は、1983 年にユネスコの世界文化遺産に登録されている。大聖堂や13 世紀の城門につくられた時計塔、彫像が美しい泉(水飲み場)が点在する街並みを残す一方で、スイス連邦の首都として近代都市のハイテク機能も兼ね備え、質の高い美術館や博物館も多い。

 シュヴァイツァーホフは長い歴史が物語る重厚な外観に対して、館内は驚くほどのスタイリッシュなデザインで統一され、スイートを含め全99 室を擁している。洗練された空間のロビーラウンジ奥には「Lobby-Lounge-Bar」があり、日本人シェフの握るすしとシャンパンのコラボが人気だ。筆者にアサインされた部屋は約40m²の「DeluxeRoom」で、上層階の客室から古都ベルンの街並みが望める。メインダイニング「Jack’s Brasserie」はレトロ感覚のブラッスリーで、唯一ここだけが創業時の雰囲気を残している。「Sothys」ブランドがプロデュースするスパは最新のウェルネスエリアが好評だ。その他、ユニークなルーフトップ・テラス「Sky Terrace」や本格派のシガーが楽しめる大人の空間「Cigar Lounge」なども用意されている。

 ベルン旧市街の大通り両側は中世からの重厚な石造りのアーケードが6km にわたって続く。そのため、シュヴァイツァーホフもアーケードの一角に控えめにメインエントランスを置いている。駅前に立地し、世界遺産の古都の見どころを歩いて回れ、しかも、雨の日も傘なしでショッピングを楽しむことができるという、利便性とプレステージ性を見事に兼ね備えた貴重なホテルと言えよう。

筆者 小原康裕
ホテルジャーナリスト。慶応義塾大学法学部法律学科卒。74年Munich Re入社。85年築地原健(株)代表取締役。2001年投資顧問会社原健設立、代表取締役CEO。JHRCA、日本ホテルレストランコンサルタント協会理事。

※現在、著者のホームページで「世界のリーディングホテル」を連載中。多くの美しい写真と興味深いコメントで、世界中のホテルとそれら関連都市を紹介。ホテルだけにとどまらず、オリエントエクスプレスなど鉄道関係の掲載、季節刊行で世界遺産の案内などさまざまな情報が得られる。www.jhrca.com/worldhotel

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