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  1. 観光庁長官 溝畑宏の観光大和魂

観光庁長官 溝畑宏の観光大和魂

第5回 スポーツが日本を救う

※本誌『週刊ホテルレストラン』毎月2・4週に連載中

 8月4日に、F1ドライバーの小林可夢偉(かむい)選手とお会いする機会がありました。観光庁ではスポーツ観光にも力を入れていますが、その一環として、F1を核としたインバウンド振興と地域活性化策を展開していくこととなりました。そこで、日本人ドライバーとして活躍中の小林選手にお越しいただき、その魅力や観光資源としてのポテンシャルをお教えいただいたんです。
 では、そもそも、なぜスポーツ観光なのでしょうか。

 スポーツには、「するスポーツ」「観るスポーツ」「支えるスポーツ」の三つがあります。
 まず「するスポーツ」で言えば、四季がある日本ではウィンタースポーツからマリンスポーツまで多種多様なスポーツを楽しむことができます。加えて、それを楽しむための自然環境の素晴らしさも世界有数です。雄大な自然の中できれいな空気を吸って体を動かす、これも貴重な観光資源の一つです。

 また、「観るスポーツ」においても、日本にはハイレベルなプロスポーツが数多くあります。特に野球、サッカー、ゴルフは、国民の興味も高い。過去にはオリンピックやワールドカップなど世界規模の大会も開催されており、すべての世代がスポーツに非常に関心を持っているのです。

 「支えるスポーツ」では、スポーツチームの地域経営や市民ボランティアとしての大会支援、地域や国を挙げての国際競技大会等の誘致などにより、地域のきずなが深まり、活性化していきます。

 このように、スポーツは「観る」「する」「支える」の三方向から観光市場を押し広げることができる分野として期待しているのです。

 しかし、縦割りの日本では、これまでスポーツと観光の連携は取れていませんでした。そこで、5月18日に「スポーツ・ツーリズム推進連絡会議」を発足。観光という観点で観光庁、国際交流という観点で外務省、産業育成という観点で経済産業省、これに加えて、競技団体、旅行会社、それにメディアなども巻き込み、民と官が共にスポーツ観光を考える場を設けたのです。

 今後は、旅行会社の協力を得て、スポーツと観光をセットにしたツアーなどを積極的に造成したり、日本全国のスポーツ大会やチケット情報を一元管理する情報ソースを作りたいと考えています。

 観光と言うとじっと見物するというイメージが強いですが、みんなが一緒になって参加し、楽しめるスポーツは、今後の観光立国の大きなキーワードでしょう。
(8月4週号より)

※次のアップは、10月4週に「第7回」を予定しております。
 「第6回」は、ホテレス本誌9月10日号をご覧ください。

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